僕にとっての山小屋

 広島大学ユースホステルクラブという、軟らかそうで結構本気なクラブに在籍したことがそもそもの始まりでした。キャンプばかりに明け暮れる中、やっぱり山小屋がええなあという本音、自分達のユースを持ちたいという建前。この二つの妥協から山小屋建設が計画されたのでした。しかし、計画は頓挫し僕達はそれぞれ大学を離れ山小屋は図面のまま20年余りが経過しました。

社会に出て暫くはわき目も振らずに働いておりましたが、やっぱりどっかに忘れ物をしてきたような気がしていました。あの図面まだ残ってるやろか、あのまんまじゃいかんのう。そんな気がしてきました。幸いサラリーマンを辞め家業を継いでいた僕には地の利、時の利がありました。それから、時を同じくして先輩のハゲ、オカチームも山小屋を始めたことが刺激となりました。

サラリーマン時代に貯めていたお金の内100万円を女房から貰い、これが資金となりました。主な材料の木材は家業が割箸屋だったことで只で入手できましたが、これを板や柱に製材し乾燥させるのも大変。土地の選定には2年程を費やし近隣市町村のそれらしいところはくまなく探しまわりました。これも家業のおかげで情報が集まり家から約30分という距離ながら十分僕の趣味を満たしてくれる場所も見つかりました。あとは約3年の間、時に放り出しながら、時に懸命にコツコツと整地、基礎作り、材料加工を進めました。町内の仲間たちにも随分助けてもらいました。

 

その頃先輩達の山小屋が僕を追い越して完成しました。僕は広島の山奥にあるその小屋を見て”こりゃボチボチしとっちゃいかん”と奮起し、それから1年の間に完成にこぎつけました。その間、お世話になった皆さんをご紹介します。